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2009年10月14日 / 『サガ2 秘宝伝説 GODDES OF DESTINY』の感想

◎はじめに

パッケージ画像 本作は1990年に発売された『SaGa2 秘法伝説』のリメイクです。管理人は同作品に割といやかなり思い入れのある世代なので、それ故の先入観と言いますか、偏りが全開な感想になっているとは思いますが、その辺は市井テキスターの戯言だと微笑ましく流して頂けるのなら幸いです。まあネタバレを押さえても仕方ないですし、ここはネタバレ全開でいきたいと思います。そういうわけで、以下は注意して読み進めてくださいね! あ、基本的には絶賛しているという内容です。一応。

◎キャラクター

 スーパースライムなせんせいから、インディージョーンズなちちおや、ラスボスなロボットまで古今東西、津々浦々。面白そうな世界観を次々とつぎ込んでしまえ、という開発者のはしゃぎっぷり。というか、悪ふざけ。そんなのは1990年だから許された話であり、今の時代でそれをどう表現するのか、非常に興味深い部分でありましたが、概ねそのままという放置っぷり。というか、ちちおやの武器がディフェンダーからムチに変わっている辺り、制作側の拘りを感じました。ただ、ビーナスの武器が電撃ムチからビーナスの扇に変わっていたのは残念だったですけどね。あの凶悪な電撃ムチが印象に残っていただけに。

 あとはあれですよ。主人公達の非主人公っぷりとでも言いましょうか。子供っぷりとでも言いましょうか。元々から、「なにおー ゆるさーん」とか、(倒した敵に対して)「ばかなやつめ」とか言っちゃう主人公でしたから、見ていてとても愉快だったわけですが、まあその辺も1990年だからこそ許された部分ってあるじゃないですか。さすがに「ばかなやつめ」とかはどうかなーと思っていたのですが、見事にそのまんまでした。やー、かなり笑いましたよ。ネタセリフは意識してそのまんまな感じですね。

 それと今回、種族毎に違うセリフが用意されているのが良かったです。「秘宝が77個だというのは嘘だ」「エー、ウソデスカー」この手間はね。素直に賞賛したいです。何回プレイしたとしても、新しいセリフが読めそうな予感。かなりの労力がかかってますね。

◎シナリオ

 オーソドックスなファンタジーから、おとぎ話なファンタジー、和風ファンタジーまで古今東西、津々浦々。面白そうな世界観を次々につぎ込んでしまえ、という(以下略)。

 基本的には原作そのまんまです。新世界が加わりそうな前情報もあったのですが、ほぼ原作ベース。それにサブイベントという形で新しいイベントが乗っかっています。これはスルーしても問題ありません。つまりは原作っぽくプレイすることもできるし、サブイベントを追って新しい『サガ2』を体験することもできるというわけです。これは原作に対する配慮ですかね。まあ、1990年のものをそのまま持ってきているので古い部分はあります。シナリオ矛盾(「こんな子供が秘宝を持っているとは思わない」云々→アシュラ達に筒抜け)もそのままです。新しいユーザーが受け入れられるかどうかは微妙。ただ当時のユーザーなら満足すること間違いなしです。

 サブイベントは全くの新しいイベントから、既存のキャラを使ったものまで幅広いです。殆どはお使いイベントで、アイテムをもらって終わりなのですが、せんせいのイベントやら、カイのイベントやら、でんぱちのイベントやら…が追加されていたのはファンとして嬉しかったです。特に先生。原作では洞窟の中で延々と待っていただけでしたからねえ。

 個人的には全滅なしでオーディンまで到達した時のイベントが面白かったです。

 「死んだものしか来られない宮殿に何をしにきた? 貴様! 戦いに命をかけない弱虫だな?」
 「戦いから逃げたことはないぜ?」

  戦闘→勝利

 「新しい神々ってのは、どうしてこうムカツクやつが多いんだ」

 あとはあれだ。ラスボスですよ。これまでも暴走しそうな部分があって、なんとか踏みとどまっている感じだったのですが、ラスボスでは完全にたがが外れちゃってます。演出強化されまくり、ラスボス強化されまくり。ぶっちゃけ、ここまでほぼ原作通りだったのは、ラスボス戦への複線だったのではないかと、そう思うくらいに暴走してましたね。や、勿論良い意味で、ですよ。主人公の「やったか!?」とかもう最高。

 それと「私は学者だ」の目玉がアップになる演出がツボ過ぎました。

 何というか、今作を移植したいが為にスクエニに入った人が作ったとしか思えません。多くのスクウェアリメイク作品って、新人プログラマーの練習台にされちゃってるじゃないですか。この作品はそれとは違う気合いを感じました。

◎システム

 恐らく今回、かなりの調整期間と予算が与えられたような気がします(サガ20周年だから?)。全体的に作りがとても丁寧な印象を受けました。

 いろいろと心配していたところがあって、それは「3Dになることにより戦闘のテンポが低下してしまうのではないか?」とか「20体とか同時に敵がでなくなるじゃないか?」とか「良い意味で狂っていた戦闘バランスがマイルドになっているのではないか?」とか「そもそもシンボルエンカウントに変更ってどうなんだ?」とかなのですが、そのどれもが杞憂に終わりました。

 3Dであっても早ければ数秒で戦闘終わりますし(早送りできる)、20体どころか50体とか同時に敵出てきますし、戦闘バランスもしっかりとGB版を踏襲していますし、敵が避けられる分ランダムエンカウントよりも良かったです。や、正直今の時代にあのシステム、戦闘バランスは合わないと思うのですよ。いろんな意味で実験的過ぎて。自分で言うのもアレですけど。ですが、それをキチンとやってしまうのですから…素晴らしいです。GB版を踏襲し、そこからさらに練り込んでくるとは思いませんでした。

 アシュラとか、ビーナスとか絶対に弱化しているだろうと思ってましたが、寧ろ強化されてましたからねぇ。GB版でシステムに慣れている人じゃないと厳しいバランスになってました。

◎絵

 「レオパルト2」「はどうほう」と言った悪ふざけもきっちりとビジュアル化。様々なファンタジー世界もきっちり3Dビジュアル化。戦闘システムの練り込みようにも驚いたのですが、GBの世界観をきっちりとビジュアル化していることに驚きました。各ダンジョン、パーツの使い回しとか殆どないわけで。大江戸世界だったら、その世界の為だけに膨大なマップを描かなければならないわけで。リンの町は中華風になってますし、ビーナスの大都会は雰囲気十分ですし、アシュラの塔も妙に凝ってました。

 あとは今回、連携があって連携が成功するとファイアだったらファイガにパワーアップする…とかあるのですが、場合によっては連携だけで4バージョンも技があったりするわけですよ。そんなの殆どの人が見ないであろうに…良く作り込んだと思います。

 あとはそれぞれのキャラグラですね。主人公、味方キャラ、ゲストキャラは勿論のこと、各種ボス、雑魚モンスターまでまで。特に雑魚モンスター。GBでは色違いですらなかったわけですが、今回は全種類違うビジュアルになってます。ぶっちゃけ、色違いでも誰も手抜きとは言わないだろうに…どういう仕事量なんだろうと。戦闘用の3Dビジュアルは勿論、味方時の移動グラフィック、下画面用のシンボルグラフィック(表側裏側)。メニューのフェイスウインドウ。作業量凄すぎです。

◎音楽

 GB版は全曲のタイトルを暗記しているくらい思い入れがあったので、正直微妙なアレンジ…と最初は思ったのですが、実際にゲームに乗ると「これはこれで」と思うようになりました。何にせよ、『SaGa2』音楽の公式アレンジが聴けたのですからそれで満足してしまうというか。そんな機会ないと思ってましたから。

◎総評

 それにしても、19年の時を経て、ウェブサイトの場で『SaGa2』の感想を書ける日が来るとは思いませんでしたよ。そういう意味でもいろいろと感謝です。リメイクして頂いただけでも嬉しかったのに、出来が良かったわけですから尚更です。

 当時プレイして思い入れのある方は是非プレイすることをお勧め致します。スクエニのリメイクというと、ろくなものを想像しないかも知れませんが、私の知る中ではスクウェアリメイクとしては過去最高の出来だったです。

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