◆コラム・論評 ====================================
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ほいみんの旅 第10回
『MOON.DVD LimitedEdition』
──────────────────────────────────ギュナイドゥン! ほいみんです。ついに当コラムも10回を数えて、引
き際には丁度良い数字かなぁとか不吉なことを考えていたりもします。
いつまでも、あると思うなコラムとほいみん。さて。そんなわけで、今回取り上げる作品はネクストンの『MOON.DVD
LimitedEdition』です。これは同社のタクティクスブランドから97年
に発売された『MOON.』をリニューアルして、98年に発売された『MOON.
RENEWAL』をリニューアルした作品です。▽タクティクス
http://tactics.co.jp/* * * * *
|主人公、郁未の元に6年ぶりに帰ってきた母。だが、安らかな日々は
|そう長くは続かなかった。怪死を遂げる母。郁未は悲しみをふっきる
|ために、母がいた宗団FARGOの隔離施設へと潜入する。その途中で出
|会った仲間、由依と晴香にも、それぞれの目的があった。しかし、
|FARGOは心の奥底の痛みと邂逅を果たす場所だった。郁未は、晴香、
|由依とともに、施設での過酷な生活の中、真実を追い求め始める。真
|実とは何か? それを知った時、胸に抱いているものは、始まりか、
|それとも終わりなのか。私は『MOON.RENEWAL』の方しかプレイしていないのですが、それと比べ
てどう変更してあるのかを最初に書いてみます。まずは、オープニングとストーリー冒頭にアニメが追加されています。
それぞれ2分程度の長さですが、きちんとアニメしています。オープニ
ングのアニメは本編のデモのような構成になっており、ストーリー冒頭
のアニメは旧作の冒頭シーンをアニメ化しています。旧作の方では選択
肢など絡めてあったシーンなのですが、全部カットして一本道化されて
ますね。まぁ、もともと分岐に影響する選択肢ではありませんでしたが。次に塗りが綺麗になってます。全CGを塗り直したようで、実際に見比べ
てみると随分と良くなったのがわかります。ただ、見比べてみないとそ
の違いがわからない程度です。ずば抜けて良くなったわけではありませ
ん。そして、これが旧作との一番の違いだと思うのですが、フルボイス仕様
になってます。女性キャラだけではなく、野郎、チョイ役も喋ります。
演技力、キャラに合っているか、音質、などなど概ねクリアされている
のですが、音声入りを前提にしていないテキストに音声を入れることの
違和感というのは、やはりありました。読み進めるリズムが崩れたり、
突っ込みのテンポがずれたりとか、そういう類のものです。あとはシステムですね。既読、未読を判別してスキップできるようにな
ったのは、嬉しい部分だと思います。あと起動時のディスクチェックが
無くなった点も○。音楽もCD-DAからWAVEになり、フルインストール可
能です。ネガティブな点としては本編終了後に遊べる「おまけRPG」が全部カッ
トされてます。それに伴い、未表示CGのヒントも無くなってます。CG
モード、音楽モードも簡略化。当時の面影は「おまけRPG」で使われて
いた戦闘の曲が音楽モードで聴けるというくらいですね。本作から入っ
た人には「何処で使われた曲なんだろう」という感じでしょうが。……そういえば、パッケージ裏に「宗教集団FARGO」と書いてあったの
ですが、これも変更点なんでしょうかね。FARGOは宗団であって、宗教
集団ではないと思っていたのですが。本編でも一度も「宗教集団」とい
う言葉は出てこないですし。まぁ、基本的には元の素材の流用が殆どで、そんなに気合いの入ったリ
ニューアルではありませんです。というか、パッケージの裏に「Fimal
version」とか誤字があるのを見ると、おざなりな印象は拭えないです。
むしろやる気の無さが伺えてしまうというか。本編ならまだ見落とすの
わかりますけど、パッケージの裏ですよ?と、変更点云々はこれくらいにしておいて、以下は本作そのものについ
て書いてみたいと思いますです。本作は心に届くAVGとして、当時タクティクスブランドから発売されまし
た。が、プレイした私にとって本作は、心に届くというよりは、心に焼
き付けるといった感じで、とにかく強烈な印象を残してくれたことを覚
えています。内包されたテーマの一つに「家族」というものがあるのですが、ダーク
サイドに属したものが多く、その内容は卑劣で憎悪で悲哀で強烈です。
表現の自由という意味での18禁になっており、本作に関して何の知識も
ないままプレイすると、強烈なダメージを受けます。というか、当時の
私が受けました。しかし、ただ痛いだけではなく、そこから得られるカタルシスが凄い。
また、メッセージ的な物が複雑で、それを解きほぐす妙味がある。そし
て、内包されたものが複雑で、深い。各部分、非常に荒削りな作りなの
ですが、とても面白いのです。ただ、今これを出されても……というのはあります。ぶっちゃけ古臭い。
演出も当時のままですし、他にも安っぽい感じを受けます。が、当時を
知るものとしては、今やっても懐古的に楽しめました。そういったわけで、『MOON.』を端末内にフルインストールしたい方と
か、再プレイしたいのだけど、きっかけが無い方とかがプレイするのに
は、丁度良いかと思われます。やっぱ気が向いた時、気軽に起動できる
というのは良いですよ。ま、『おまけRPG』こそが、たまに起動してちょ
こちょこ進めて……とやるにはうってつけのものだったんですけどね。ではでは~。
【 ほいみん 】―――――――――――――――――――――――――
ペシミズム信仰の権威で厭世主義者。著作に『愛は金で買えるか』
『ひねくれるもの』『男は好きでもない女と寝られるが、女はど
んな男にも嘘をつくことができる』『無駄の有意義』などを持つ。
嘘。E-mail: webmaster@hoimin.com(←使えません)
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2002年 7月25日 稿
これにてゲームレビューサルベージは終了。次回からはまた何か他のことを考えます。ではでは。
コメント
お疲れ様でした。やっぱほいみんさんのレビューは好きだったんで、こういうサルベージは嬉しかったです。
レビュー読んでリトルモニカとFifthやってロ○に目覚めたのも良い思い出です。多分。
Posted by: 名無しホイミニスト | 2007年05月23日 20:48
ありがとうございます。まだ埋もれているレビューとかあるかも知れませんので、見つかったら上げたいと思います。
野々原作品は未だにコンスタントに出続けているのが素晴らしいですね。チェックはしているのですが、やるまでには至らず。いやはやなかなか。
Posted by: ほいみん | 2007年05月23日 21:40